バイトで生計を立てる決意をした人が知っておくべきこと

バイトで生計を立てる前に知っておくべきことバイト

 

正社員と比べた場合、フリーターは広い意味での「保険」が効かない生き方である。たとえば、会社員なら会社が潰れても、キャリアがその人の信用に繋がり、転職がスムーズに進むことは多い。スキルや能力のある人ならキャリアを進むにつれて増えた給与も地に落ちることなく、ある程度は維持できる。

一方、バイトで生計を立てている人は仕事の幅も少なく、価値のある経験は少ない。通常、スキルや能力は身につかない。また、長期でバイトを続けてもキャリアとは見なされない。給与は低い水準のままで、結婚、子供が生まれるなどしてコストが増加すると、生活も厳しくなるだろう。体力の必要な仕事なら老化も大きな障害になる。

ただ、日本では「セミリタイア」という労働を極力抑えた生活でも生きていける。バイト生活はこうした労力的リソースの消費を限りなく少なくしたい人、一時的に休憩したいと思った人の選択肢として悪くないだろう。

 

この記事ではバイトで生計を立てる決意をした人がやるべきこととして

▶ 生活コストの最適化
▶ 働けるうちは常に資産(リソース)を増やす

ことを中心に、

▶ 日本ではバイト生活も「そこまで」悪くない理由

についてまで詳しく述べていきたいと思う。

 

生活コストの最適化

生活コストの最適化

 

フリーターは会社員以上にコストの使い方を工夫しなければならない。ここで言うコストとは金銭的、労力的、時間的コストである。特に、金銭的なコストは最適化しないと、常にお金に追われ、苦しいまま過ごすことになる。

フリーターは会社員よりも老後にもらえる年金が少なく、40代、50代になったときの給与でも差が付く。コストの使い方を工夫しない、それを実行しないフリーターは歳を重ねれば重ねるほど、リソースが足りなくなってしまうだろう。したがって、20代、30代のうちから金銭的支出の削減が容易な固定費の削減から行うべきだ。

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常に金銭的なリソースが不足している人はワーキングプア状態とも言える。金銭的なリソースの不足は時間や労力的な余裕が無いことから生じてるケースも多々ある。こうした人は時間や労力の使い方も最適化しなければならない。特に、時間的な余裕が無いと、引っ越しや格安SIMの契約、その他細かな金銭的なコスト最適化も後回しになってしまうだろう。

時間的、労力的なコストで容易に節約できるのは、働いている「以外」の時間である。この働いている以外の時間とは、たとえば、通勤を含む広い意味での日常における移動時間、スーパーの買い物時間などである。移動時間を極力少なくしたり、ネットショッピングの活用で時間や労力の消費は抑えるべきだ。

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何にどれぐらいのお金・時間・労力を普段から使っているのか?まずはこれらをメモにまとめるなどして把握し、最適化による効果が大きいものから最適化していこう。

 

働けるうちは常に資産(リソース)を増やす

働けるうちは常に資産(リソース)を増やす

 

会社員は会社が潰れてもキャリアがその人の信用に繋がり、転職がスムーズに進むことは多い。キャリアを進むにつれて増えた給料も地に落ちることなく、ある程度は維持できる。また、厚生年金により、老後もフリーター以上の年金を受給できる。つまり、将来に渡って、フリーター以上の生活が補償されている。結婚や子供の養育費で手持ちの貯金がなくとも、人生をなんとかやり過ごしている人は多い。

フリーターは歳を重ねれば重ねるほど金銭的な問題が生じやすい。家族が増えたり、健康上の問題で働けなくなったら、生活保護の道しか残されていないだろう。逆に言うと、金銭的に余裕があればフリーターという身分から生じる問題もほとんど生じない。したがって、金銭的なコストを最適化すると同時に、フリーターは会社員よりも意識して資産を増やしていく必要がある。

 

フリーターと会社員が老後もらえる年金受給額の差

バイト生活者と会社員がもらえる年金受給額の差

 

フリーターも会社員として生活してきた人も、65歳もしくは70歳を迎えれば、一部の優れたスキルを持っている人を除き、稼ぎではほとんど差が無くなる。日本において、リタイア後に差が付くのは資産と年金受給額である。

まず、バイト生活をしてきた人(国民年金受給者)と会社員生活をしてきた人(厚生年金受給者)でもらえる金額を平成25年から平成29年までの平均で比較すると、

・国民年金 月5万5518円
・厚生年金 月14万4903円

となる(気になる年金受給額。平均いくらもらえる?より)。つまり、会社員とフリーターではだいたい毎月9万円の差が付く。

 

日本人の平均寿命は男性で81.09歳、女性で87.26歳となっている(日本人の平均寿命はどれくらい?|公益財団法人 生命保険文化センターより)。65歳から毎月9万円、平均寿命の年齢まで年金を受給したとすれば

・男性 16年×12ヶ月×9万円=1728万円
・女性 22年×12ヶ月×9万円=2376万円

会社員と同程度の資産を貯めた仮定しても、フリーターはさらに2000万円前後の資産を余分に作らなければ、会社員並みの老後生活は送れない。もちろん、今以上に平均寿命が伸びれば、この差はさらに広がっていく。

 

資産(リソース)を増やす方法

フリーターは現役時(給料をもらっている間)だけでなく、老後でも会社員より収入は少ない。したがって、現役世代から資産を増やすことが重要になる。ただ、フリーターでも資産の問題さえ解決すれば、老後を心配する必要はないだろう。

 

支出よりも収入が多い人は金銭的なリソースを少しずつ増やしていける。収入の一部を貯金したり、株式や投資信託の運用に回すのは基本的なリソースの増やし方だ。ただ、フリーターが収入の一部を貯蓄に回して貯められる金額は決して多くない。証券会社で買えるような金融商品を積み立てても、十分な資産を構築するの難しいだろう(これらを否定するわけではない)。したがって、フリーターはバイトのほかにも事業(副業)へリソースの一部を注ぎ、資金を増やすべきだ。もちろん、金銭的なリソースをどこまで使うかの判断は簡単ではないし、結果的にマイナスになるリスクも生じる。自身の持つ金銭的なリソースの大部分は残し、主にお金がかからない、労力や時間で収益を生む事業を育てていった方が良いだろう。たとえば、ブログやアフィリエイトサイトなどもほとんどお金をかけずに、労力だけで準資産としての構築ができる。

また、日常的に金銭や労力、時間を費やしている趣味を事業化すれば税金面での負担も減らせる。

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事業へ挑戦し、1つでも事業の自動化に成功すればそれ自体が大きな資産となる。たとえば、毎月10万円の利益がでる事業を5万円で人を雇い行ってもらったとする。そうすれば、自分は労力や時間を使わなくとも5万円の収入が入る。

こうした自動化した事業はまるごと売却もできる。事業内容によるものの、毎月の利益×24(2年)だったり、成長性や買う人が行っている事業との相乗効果が見込めるなら、×60(5年)以上の価格でも売却できるだろう。

仮に2年分の利益で売却したとすれば、5×24=120万円になる。事業をより大きくすれば、さらに大きなキャッシュを手に入れられるだろう。

また、事業の成功は「信用」という資産を構築し、金銭的なリソース以外にも、広い意味でもリソースも増やせる。リスクが少なく、ある程度時間が作れるフリーターこそ事業へと挑戦すべきなのだ。

 

事業(会社)を起こすのがリソースを増やす方法として最も確率が高い

金銭的なリソースが多い状態、つまり、お金持ちになる方法としては様々な手段があげられる。メジャーなところで言うと

1.投資(株式、FXなど)をする
2.宝くじを買う
3.事業(会社)を起こす

になるだろう。

いずれも金持ちになる方法としては間違いではない。ただ、確率論で言うと、この中でも圧倒的にお金持ちになりやすいのが「3.事業(会社)を起こす」である。日本および世界の長者番付を見ても、多くが起業家(事業を作った人)である。

 

上でも述べたように、事業は金銭的なリスクを大して負わなくとも行える。労力と時間にある程度の柔軟性を持たせられるフリーターが事業をやらないのは大きな機会損失だろう。

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フリーターは金銭的なリソースがもっとも不足しやすい。ここに余裕ができれば、それ以外のリソースにも余裕を作れるはずだ。

 

日本ではバイト生活も「そこまで」悪くない理由

日本ではいざというときのバイト生活も「そこまで」悪くない理由

 

フリーターの老後を考えるとリソースを増やし続けることは必須になる。ただ、リソースを増やすために事業を起こしたり、必要以上に労力を費やしたくない人もいるだろう。事業を起こした結果、失敗してしまった人もいるはずだ。金銭的なリソースを増やせなくても、日本なら「セミリタイア」という逃げ道がある。

 

セミリタイアという逃げ道

セミリタイアとは、完全にリタイアしないまでもリタイアに近い生活を送ることをいう。収入を得るために仕事はする。しかし、フルタイムでの労働などはせず、仕事「量」を抑えた時間的、労力的に余裕のある生活を送りたい人の生き方である。

セミリタイア生活を実現・維持するための条件を紹介します
セミリタイアとは、完全にリタイアしないまでもリタイアに近い生活を送ることをいう。収入を得るために仕事はする。しかし、フルタイム労働ではなく、仕事「量」を抑えた生活を送る。早期退職(アーリーリタイア)後の「生活」を強調して使われることも多い。

 

金銭的なリソースの消費を限りなく少なくできるなら、セミリタイアという形で老後を備えても良いだろう。

最初にも述べたように、正社員と比べた場合、バイトは広い意味での「保険」が効かない働き方である。しかし、月10日の労働で1ヶ月暮らせる日本の環境は世界的に見ても恵まれている。

発展途上国などでは10日間の単純労働だけで1ヶ月暮らせるような余裕は作り出せない。外こもりといった、日本で短期労働を行い、物価の安い海外へ長期滞在できるのも限られた先進国の人のみである。こうした恵まれている環境にあるなら、これを享受しても良いだろう。日本にはこうした逃げ道もあるため、バイト生活もそこまで悪いとは思えないのだ。

もちろん、老後だったり、現役中も長期でこのような生活をできるとは限らない。セミリタイアを実現してもコストの最適化は必ず行い、その上で常に資産(リソース)が増えていく環境は維持すべきだ。

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