銀座の高級クラブでは時給が高いだけでなく、客からチップといった形でもお金が貰える。また、客の質は良く、お金を持っている人も多い。中身はともかく表面上は紳士で、働く側からすれば、魅力的な要素が多いと言える。
しかし、容姿に自身のある女性が求人に応募しても、多くは採用されない。銀座のホステスに求められるのは若さや容姿だけではないからだ。
この記事では、銀座のクラブで働きたいと思っている人が知っておくべき
▶ 銀座の高級クラブで求められている人
からバイトに興味のある人が気になるであろう
▶ ホステスの給与や勤務時間、生じる責任
まで詳しく述べていきたいと思う。
※この記事は銀座クラブでのホステス経験者の文章を元に著者が文章や構成を書き直したものです。
銀座の高級クラブにおけるホステスの求人
銀座のクラブで働ける店側が求めている人材は大きく分けると
1.お嬢さま、女優やモデルの夜職「未経験者」
2.客を引っ張ってこれる経験者
の2パターンがある。
下記では銀座の高級クラブでも未経験者が歓迎される理由と他の高級クラブから客を引っ張ってこれる人について詳しく紹介していく。
銀座高級クラブの求人における「未経験者」歓迎の意味
銀座の高級クラブは求人サイトなどでも募集を出している。こうした求人は未経験者を中心に集めており、客の好みに合いそうな新しい人を探している。
客がホステスに求めるのは「非日常」であり、ずば抜けた容姿だけでそれを満たせるわけではない。同じ非日常でも、容姿を重視するなら、客は新宿や六本木のクラブを利用する。
銀座のクラブで客が求めている未経験者は「お嬢さま」であり、家柄が良かったり、有名女子大学を出ていたり、「手垢」が付いてないような人が好まれる。大学を出ていなくとも、女優やモデルといった芸能人で、特に、ドラマや映画、雑誌の出演実績があるような10代から20代の若い女性も好まれる。
これらが銀座の高級クラブにおける求人で募集される「未経験者」である。したがって、今から銀座のクラブで働ける「未経験者」になるのは難しい人もいる。外見を除いて考えても、魅力的なバックグラウンドを求められているからだ。
もちろん、有名女子大卒だったり、芸能人、新人モデルでなくとも採用される未経験者はいる。その場合は紹介が多く、求人サイトなどから応募して採用されるのは難易度が高いと言えるだろう。どうしても働きたい場合、雑用から始めるルートもある。しかし、ここから接客までの道のりは長く、給料も高くないため、途中でキャバクラなどへ移ってしまうのが普通だ。
他の高級クラブから客を引っ張ってこれる人
ホステスは27歳ぐらいがターニングポイントになる。この年齢でそこそこ売れている人なら、店を移動しても客が付いてくるケースは多い。また、有能な女性は、更に別の有能な女性を引っ張って来る構図もある。求人広告で35歳までとしているのは若くなくとも、こうした他から客を引っ張ってこれる女性を探しているからだ。
あからさまにライバル店へ引き抜かれることもある。しかし、トラブルを起こしたくない店側としては、別エリアからの女性の方を好む。
大阪から東京といった長距離の場合、引き抜く利益はないように思える。しかし、優秀なホステスであれば、距離は離れていても、客やホステスが紹介によって集まって来る。
こうした様々な利益をもたらしてくれそうな人が、銀座のクラブで求められていると言える。
高級クラブにおけるホステスの給与や勤務時間など
銀座をはじめとする高級クラブのホステスには一本(ピン)でやってる「プロ」と、この一本でやってるホステスに付く「ヘルプ」の2種類に分けられる。ヘルプというのはホステスの補佐で、アシスタントのような役割になる。一本のホステスは売り掛けのホステスとも呼ばれる。
ヘルプは自己主張せず、一本のホステスを常に立てる立場をとるのが一般的である。売れてるホステスは必ずと言って良いほど「有能な」ヘルプを抱えている。
また、ヘルプには「ヘルプのヘルプ」や「レジ係」と呼ばれるような見習いがおり、未経験者のOLや学生のアルバイトは、このポジションからスタートする。
新人はまずベテランである一本の専属ヘルプへの昇格を目指す。素質があれば、その後専属ヘルプから、「一本立ち」していくという流れになる。
ホステスの給与、勤務時間、服装について
銀座のクラブではレジ係で時給1500円~、ヘルプのヘルプなら3000円程度が目安となる。もちろん、これらは店の方針によりけりで、決まった価格というものはない。ただ、通常のバイトに比べれば概ね時給は高い。
一本のホステスの収入は未知数で、月に数百万円稼いでる人ももちろんいる。ヘルプのヘルプでも、昼の仕事並みに稼げる人はいるので、継続するとOLや学生を辞める人も出ている。
レジ係で採用されても、ヘルプのホステスになれば当然時給もアップする。ただ、シャンパンやボトルをお客さんが入れてくれても、これら売上はヘルプの給料には影響しない。一本のホステスへ全て反映されるのが銀座の一般的なシステムだ。
それでもヘルプのデビュー日だったり、誕生日など何かの記念日には客からチップをいただけることが多々ある。10万円から100万円ポーンと一度に払ってくれる人もおり、基本給以上に、こうしたチップが収入で大きな割合を占めるヘルプは多いだろう。
勤務時間は夕方から深夜0時頃までが多く、基本的に休憩はない。ヘルプのホステスでも、日給にすれば平均で1~2万円にはなるだろう。
服装には細かい決まりがあり、ヒールのある靴、ニットは不可で、必ずスカートを履く。月に一度は新しい着物やドレスを用意しなければならないので、給与は良くとも、衣装代としての出費は多い。
髪形も衣装に合うようなものでないとママに叱られるので、美容院に使うお金もかかってくるだろう。ただ、この辺は一本でやってるホステスからだったり、店側がサポートしてくれる所も多い。
銀座のホステスにおける「責任」
お客さんで現金払いをするのは芸能人やスポーツ選手くらいで、後の人達は毎回ツケ(売掛)で遊んでいる。このツケは指名された一本のホステスが責任を持つことになる。給料日の後の月末までに回収し、店に収めなければならない。客から支払いを受けると、その半分ぐらいが自分の収入になる計算だ。
客が逃げた場合は一本のホステスが自腹で払わなければならず、支払いができない場合は最悪ソープで働いて回収することになる。
一本のホステスはお店の中で「○○(源氏名)」という個人商店を営業してるに過ぎない。稼げる額も大きいが、その分生じる責任も大きくなるといえるだろう。
銀座のクラブで働こうと考えている人は「どうすれば採用されるか?」という点に集中して考えがちだ。しかし、働き始めてからのこともきちんと知っておき、考えておく必要があるだろう。
高級クラブよりも気軽に働けるスナックやラウンジの仕事については下記記事を参考に。
