電気料金を下げる方法は大きく分けて
1.基本料金を下げる
2.1kWhあたりの電気料金を下げる
3.電気の使用量を抑える
の3つになる。
通常の家庭の場合、毎月請求される電気代は「基本料金」と「1kWhあたりの電気料金」「再エネ発電賦課金」「燃料費調整額」で決まる。
毎月の電気料金=「基本料金」+「1kWhあたりの電気料金」+「再エネ発電賦課金」+「燃料費調整額」
これらのうち特に大きいのが「基本料金」と「1kWhあたりの電気料金」になる。
「基本料金を下げる」「1kWhあたりの電気料金を下げる」は電力会社や契約プランを見直せば容易に達成できる。今までと同じ量を使っても電気代が抑えられるため、まず行うべきは電力会社の変更である。基本料金を0円にし、1kWhあたりの電気料金を下げたいならすぐにでも楽天でんきへ変更すべきだ。
電気の使用量を抑えるには「家電をなるべく使わないようにする(電気の利用を抑える)」という当たり前の行動以外にも「消費電力の少ない電化製品に変える」「家電の利用環境を整えて、効果を高める」といった方法がある。費用が発生する電化製品の買い替えでも、家電によっては早めに行った方がお得になる。
この記事では
▶ 基本料金、1kWhあたりの電気料金を下げる方法
▶ 電気の使用量を抑える方法
から
▶ 電気の利用で本当に必要な「最適化」
についてまで詳しく紹介していきたいと思う。
基本料金、1kWhあたりの電気料金を下げる方法
基本料金、1kWhあたりの電気料金を下げたいなら電力会社や契約プラン、地域を見直すしかない。
従来の電力会社では契約アンペアが大きいと、基本料金だけでも1000円を超える。たとえば、東京エリアで東京電力従量電灯B・Cプラン(30A)に契約すると
・基本料金は858円
・kWhあたりの電気料金は120kwhまで19円88銭
となる。月に100kWh使えば858円+1988円となる(ここに「再エネ発電賦課金」「燃料費調整額」として加算されたり、マイナスされたりする)。
東京電力で従量電灯B・Cを利用した場合、毎月必ず取られる基本料金。基本料金は契約A(アンペア)ごとに上がっていく(tepco.co.jp)。
基本料金は楽天でんきやループでんきといった基本料金0円の電力会社へ変更すれば簡単に下げれる。電気の使用量が少ない一人暮らしの方が、基本料金の電気代に対する割合は大きくなる。
また、基本料金、1kWhあたりの電気料金は電力会社だけでなく、地域によっても異なっている。下記表は楽天でんきにおける1kWhあたりの料金を地域ごとにまとめたものになる。
楽天でんきの基本料金(energy.rakuten.co.jpより)
楽天でんきに限らず、他の電力会社でも
1.北海道
2.沖縄
3.東北、関東、中部
4.中国、四国
5.九州
6.関西
7.北陸
の順番で電気代は高くなっている。一番高い北海道と一番安い北陸で比べれば約30%の地域差が生じている。同じ使用量でも、一方が1万円だった時、他方は7000円といった差が地域間で存在するのだ。
ただ、電気代を下げるために、住む地域を変えるのは現実的ではないだろう。自営業者でも、支出の割合として電気代より家賃の方を考えなければならないはずだ。したがって、電気料金、基本料金を下げたいなら電力会社の変更が現実的な手段となる。
電力自由化以降、民間企業の参入は増え続け、2021年6月30日現在、727の電力会社が存在している。
この700以上ある電力会社の中でどれがもっともお得になるか、どの契約プランが適切かは人によって異なる。しかし、楽天経済圏で生活している人なら迷わず楽天でんきを契約すれば良い。
楽天でんきの料金や特徴的なサービスについて詳しく知りたい人は下記記事を参考に。

ちなみに、楽天でんきは契約アンペアも一定であり(前の電力会社で利用していたアンペアを継続する)、契約プランは1つになっている。
楽天での消費額が多い人は楽天でんき、楽天での消費が少なく、今後も増やすつもりがない人は下記比較サイトから適切な電力会社を選択すると良いだろう。
現在契約している電力会社の電気料金明細書を用意の上、上記ページで必要事項を記入すると、どの電力会社が一番安くなるかの計算をしてくれる。
電気の使用量を抑える方法
電力会社の変更後、更に電気代を下げるには電気の使用量を抑えなければならない。当然、電気の使用量によっても電気料金は増えていくからだ。
電気の使用量を抑えるには
1.電力消費の少ない家電へ変える
2.家電の利用環境を整えて、効果を高める
に加えて、当たり前の話として
3.家電をなるべく使わないようにする
以上の方法がある。
下記でそれぞれ紹介していく。
1.電力消費の少ない家電へ変える
電気料金を下げるために家電を買い換える場合、電気料金に占める割合の多い家電から行う必要がある。
経済産業省の調べによると、家庭における消費電力の14.2%が冷蔵庫、13.4%が照明器具になっている。冷蔵庫と照明器具だけで各家庭における電気代の4分の1から3分の1を占めている(家庭でいちばん電気を消費するものは?より)。
冷蔵庫は常に可動させるのが普通になっている。したがって、これを省エネ化するだけでもかなりの電気代節約が可能だ。
家族で住んでいたり、一人暮らしでなければ照明器具やエアコンの消費も多くなる。こちらも電気代見直しの段階で買い替えを検討した方が良いだろう。
冷蔵庫で電気代を下げるためのポイント
2007年に販売された冷蔵庫と2017年に販売された冷蔵庫を比べると、消費電力は半分以下になっている。冷蔵庫は新しいものであればあるほど電力消費も少なくなっている。冷蔵庫は定期的に買い替えた方が総合的な負担コストの点でもお得になるだろう。
また、冷蔵庫は当然小さい方が消費電力も少ない。ただ、食品を詰め過ぎれば消費電力が増えてしまう。したがって、小さければ小さいほど良いというわけではない。適切な大きさのものを選ぶ必要がある。
長年使っていれば必要な大きさも把握できているはずだ。できるかぎり小さくし、かつ容量がいっぱいにならない最適なサイズを選ぶようにしよう。
使用電力においては省エネラベルも参考になる。家電量販店での購入ではこちらの表示も確認しつつ、店員さんに意見を求めて選ぶべきだ。
照明器具で電気代を下げるためのポイント
経済産業省のデータにもあるように、LEDランプは一般電球に比べて85%も消費電力が少ない。また、LEDランプは寿命が一般電球の40倍となっている。つまり、LEDに変えるだけで電気代だけでなく、ライトの交換に伴うメンテンス費用も下げられるのだ。
天井面(ceiling)に直接取り付けるシーリングライトもLEDに変えるだけで電気代、メンテンス費用は当然抑えられる。一般電球をまだ使っている家庭は電気代を見直す機会に全てLEDへの変更を実行すべきだ。
エアコンで電気代を下げるためのポイント
エアコンの省エネ化はここ10年で5%の削減となっており、冷蔵庫や照明器具に比べるとあまり進んでいない。したがって、エアコンの買い替えにより抑えられる使用電力もそこまで多くない。
それでもエアコンを選ぶ際のポイントはいくつかある。まず、使用する部屋、使い方を把握した上で、適切なエアコンを選ぶべきだ。たとえば、体温や人の位置を把握するセンサーの付いたエアコンなら、部屋全体の気温を変えるエアコンよりも少ない電力消費で快適な気温にできるだろう。
他にもエアコンが効きやすい環境を整えるのは消費電力を抑える上でも重要である。家電の利用環境は消費電力を抑える上では特に重要な点となる。
2.家電の利用環境を整えて、効果を高める
家電の利用環境を整えれば、消費電力も抑えられる。特に、エアコンの効果を高める上では重要なポイントになるだろう。
経済産業省の「家庭向け省エネ関連情報」ページでも、エアコンの利用環境として
①冷房をかける際には、窓を開けてこもった熱気を下げる
②室外機のまわりはきれいにする
③夏・冬に適切なカーテンを付ける
上記のように整えることで省エネにつながると述べている。
家に帰ったら、まず窓を開けて換気をしてからエアコンを付ける。室外機の吹出口近くは広く余裕のあるスペースを確保し、周りには何も置かないようにする。室外機の周りに物を置くと、冷暖房の効果が下がるからだ。
カーテンは窓から入ってくる外気の熱を防いでくれる。冬場も温かい空気を外へ逃さないために、季節ごとに適切なカーテンを用意しておこう。
3.家電をなるべく使わないようにする
電力会社および家電・家電の利用環境を最適化した後、更に電気代を下げたいなら、意識的に電気を使わないようにする方法しか残っていない。
・テレビや電気はこまめに消す
・極端な気温でなければエアコンを付けない
・長期で家を開ける際には冷蔵庫も空にしてブレーカーを落とす
などの行動が推奨される。
一定の我慢や手間が求められるため、コストパフォーマンスが上がらなければ無理に行う必要はない。できる範囲で取り入れれば良いだろう。
やはり重要なのは電力会社および家電・家電の利用環境の最適化である。
電気の利用で本当に必要な「最適化」とは?
電力会社の変更によって、基本料金や1kWhあたりの電気料金が下げられる。したがって、電気代を下げたいなら、まずは電力会社の変更から行うべきだ。楽天で消費する人は迷わずこの電力会社で良いだろう。
電力会社の変更は原則無料でできる。また、使用量計測にスマートメーターに取り換えられてるなら、インターネット上で電力会社の変更の手続きが完結する。書面に記入して、封筒を投函するなどの手間は求められない。
電力会社の変更後、さらに電気料金を下げたいなら、電気の使用量を抑えなければならない。家電の買い替えや利用環境を整えたり、使用自体を抑えるといった新たなコストや手間が生じる。しかし、電気代を下げた結果、別の負担が生じたり、節約した費用以上に、生活が不便になれば元も子もない。
たとえば、乾燥機付きのドラム式洗濯機にすれば、確かに洗濯機における電気代も増える。一方、干す手間が省ける手間が省ける上に、水道代を抑えられるといったメリットも生じる。また、エアコンを無理に我慢すれば、快適に過ごせなかったり、ぐっすり眠れないこともあるだろう。
電気料金を下げる行為は全て良い結果をもたらすわけではない。下げることだけに固執してパフォーマンスが落ちてしまえば節約した費用以上の損失につながる。
電気にかかる費用の最適化は電気代の節約だけでなく、生活全体におけるコストパフォーマンスを見た上で考えるべきだ。