一人暮らしの主要な支出は
1.家賃
2.食費、雑費
3.光熱水道通信費
4.交通費
5.娯楽・交際費、医療費
6.税金・社会保険料
に分けられるだろう。
これらの支出を減らすだけでは節約とは言えない。金銭的な節約も生じるストレスだったり、時間的・労力的な節約とセットで考えた方が良い。金銭的な節約をした結果、ストレスが増え、時間的・労力的な余裕が無くなると、長期的には出費も増えてしまう傾向にあるからだ。逆に言うと、一部で金銭的な支出を増やしても、ストレスが減り、時間的・労力的なコストが減るなら、長期で見ると金銭的な負担の減少にも繋がる。トータルでのパフォーマンスを高める方向へとコストをかけるのが広い意味での節約になるのだ。
より柔軟にコストの最適化ができる一人暮らしこそ、金銭の直接的なコスト削減だけでなく間接的にも意識し、広い意味でのコスパを高めるべきなのだ。
この記事では
▶ 主要な支出における節約術
から
▶ 金銭を間接的に節約するための施策
まで詳しく述べていきたいと思う。
主要なコストにおける節約術
主要なコストを減らしたいなら、まずは固定費の削減を考えなければならない。固定費で一番大きいのは多くの家庭で家賃になるだろう。家賃は家の変更だけで、費用を抑えられる。また、電力自由化によって、電気代も電力会社の変更だけで抑えられるようになった。
固定費を最適化したら食費や雑費、娯楽・交際費、交通費、医療費といった変動費の節約も考えなければならない(人によっては交通費、医療費を固定費に含めても良いだろう)。
税金については貯金する(現金として残す)代わりに控除などを使えばある程度は減らせる。貯金のみの人は控除の利用も検討すべきだ。
下記では固定費、変動費、税・社会保険料にわけてそれぞれの節約(節税)方法を紹介していきたいと思う。
固定費(家賃、電気代、通信費)の節約
家賃は固定費の中でも占める割合が大きくなる。毎月の出費を減らしたいなら引っ越しも考えるべきだ。
また、通信費、電気代は簡単な手続きだけで変更でき、使用量を節約しなくとも月数千円単位で料金を下げれる。時間がある時にでも早めに申し込みはしておこう。
家賃
引っ越しの手間は電気や通信の変更と比べものにならないぐらい大きい。普通の人は数年に1度でも負担に感じるだろう。ただ、固定費の中でも家賃は節約の幅が大きい。職場までの移動や普段利用する店を把握して、よりコスパの良い最適な家を定期的に探す必要がある。
在宅ワークをしているフリーランスなど、通勤の必要がない人は地方でも良いだろう。特に、大阪府や福岡県は便利なエリアが多い上に家賃も安くなっている。大阪、福岡であれば生活費が足りない時のための仕事も見つけやすい。トータルで見てもコスパの良い街である。
とことん家賃を抑えるなら、月1万円以下の比較的新しい賃貸物件が多数ある大分県杵築市、国東市もおすすめである。詳しくは下記記事を参考に。

電気代
基本料金および1kWhあたりの電気料金は電力会社の変更でも下げられる。既存の電力会社からネット上での変更手続きだけで、毎月1000円下げるのも難しくない。ただし、月3000円以下に抑えるとなると、冷房や暖房などを意識した使用量の制限も必須になる。
電気をあまり使わない人だけでなく大量に使う人でも、基本使用料が0円の楽天でんきもしくはループでんきが最安値になるかと思う。特に、関西、北陸地方の人はkWhあたりの電気代がかなりお得である。具体的な電気料金のシュミレーションを含め、料金の安い電力会社を比較したい人は下記記事を参考に。

ちなみに、日本では電力だけでなく、ガスの自由化も始まっている。地域や家によってはガス会社の変更もできるため、こちらの料金も時間のあるときにチェックしよう。
通信費
インターネットは娯楽の大部分を占める。また、収入を得るためにインターネット環境が必要な人もいるだろう。したがって、現代においては避けられない支出になっている。もちろん、インターネットが必須でないなら無理に契約する必要はない。
自宅で利用できるインターネットとしては光回線、WiFi、ブロードバンドの選択肢がある。この中で費用が安いのはWiFiと固定回線(ADSL)になる。
使い放題のWiFiは2726円~からある。こちらのWiFiは1、2ヶ月目が2726円、3ヶ月目から24ヶ月目までは3411円、25ヶ月目以降でも4011円となる。3年ごとに別の会社へと変えれば平均して毎月3000円程度の負担にまで抑えられる。ADSLはWiFiよりも安いプランはある。ただ、速度の点や固定電話が必要である点から、WiFiに比べ、コスパは良くない。
WiFiなら外出先でも、モバイルルーターを持ち運べばインターネット環境を構築できる。携帯電話でデータ通信の契約をする必要性も無くなるだろう。
ただし、ADSLおよびWiFiは地域によっては繋がらない、もしくは繋がりにくい場所、速度が遅い場所もある。きちんと、問い合わせたり調べた上で契約すべきだ。
携帯代が高額になっている人はまずキャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)のスマホを辞めるべきだ。携帯電話はSMS認証が求められるアプリも多いため、「SMSあり」「通話無し」の格安SIMを契約する。
楽天経済圏での消費が多い人は楽天モバイルがおすすめである。

楽天モバイルはSMSありのデータSIMが月額645円から利用できる。通話料は無料アプリやIP電話を利用することで、極限にまで抑えられるだろう。

変動費(食費や雑費、娯楽・交際費、交通費、医療費)の節約
固定費と違い、食費や交通費、娯楽・交際費、雑費、医療費などの費用は節約すると、その分労力や時間的コスト(手間)が増えたり、ストレスを生じさせるケースがでてくる。固定費よりも満足度が価格に比例するからだ。ただ、ネットを中心に調達するなど、人によっては最適化できる部分も残されている。
広い意味でコストが増えないように節約する方法を下記では紹介していく。
食費や雑費
一人暮らしの食費や雑費における節約としては、ネットの活用が極めて重要である。たとえば、自宅での食事をコンビニで済ませると費用もかさむ。お弁当を買うにもできればスーパーで買った方が良いだろう。閉店前のスーパーではお弁当、おかずの割引もある。ただ、職場や自宅からスーパーが遠かったり、時間が無い人はコンビニに頼ざるとえない。そういう人はネットスーパーの利用がおすすめである。

ネットスーパーは店舗で行われるような閉店前の割引はない。ただ、通常時のスーパー並の値段で食材を購入できる。くわえて、家まで配送してくれる。金銭的なコストだけでなく、買い物で生じる労力、時間を無駄にしたくない人にもおすすめである。ただし、ネットスーパーは地域によっては利用できない欠点があるので注意しよう。
また、日用品を含む雑費について、店舗で売られている商品はAmazonや楽天の最安値に比べると高い。飲料水やティッシュ、トイレットペーパーは運ぶのにも労力的なコストがかかるだろう。労力的なコストの節約のためにも、重かったりかさばる日用品を含む雑費はネットショップで購入すべきだ。ドラッグストアのレジ待ちをしてまで商品を買う理由は無いだろう。
時間が無くてコンビニで購入しているお弁当をネットスーパーでの購入へ変えたり、ドラッグストアで購入している日用品をネットで買うだけで費用は抑えられる。労力や時間を節約できるため、広い意味でのコストに対するパフォーマンスを高められるだろう。
娯楽・交際費
娯楽、交際費は抑えると交友関係だったり、日常の生活での楽しみが減ってしまう可能性もある。ここを節約すると、ストレスの増加も避けられないはずだ。したがって、第三者の立場から見て、この費用の節約を強いることはできない。しかし、出費が多く、減らす必要性を感じているなら、少しずつ制限した方が良いだろう。

また、消費を減らさなくとも還元率を上げることで節約(現金を多く残すこと)もできる。還元率の高いカードやアプリによる決済を導入し、消費を減らせないなら還元率を高める努力はしよう。

交通費
交通費を抑えるためには家の引っ越しや料金のかからない自転車の利用を検討したり、燃費の良い乗り物に変えるといった方法がある。
車が必須の人にも、最近ではカーシェアリングも盛んである。

車の維持費が生活費を圧迫してるなら、車は保有せず、必要に応じて利用できるこうしたサービスも検討すべきだ。
医療費
治療については自分で判断せず、原則として専門家(医師)に従う必要がある。ただ、当事者として、ある程度の勉強はした方が良いだろう。その上で治療方法や薬代の最適化ができれば病院を変えたり、薬の変更を医師と相談してみるべきだ。
また、医療費の負担があまりにも大きい場合、国や区市町村の制度により助成を受けれるケースもあるだろう。生活費のうち医療費の占める割合が大きいなら、市役所などで相談すべきだ。
税金、社会保険料
税金は収入を貯金する(現金として残す)代わりに、控除などへ使うことである程度は減らせる。
個人事業主(自営業)、会社員が控除などを利用可能かどうか、控除額とともにまとめると下記のようになる。
個人事業主 | 会社員 | 控除額 | |
---|---|---|---|
経営セーフティ共済 (中小企業倒産防止共済) | ○ (利用できる) | △ (会社員として行う仕事との関係性が無ければ利用できる) | 月0.5万円から最大20万円 (年6万円から最大240万円の控除) |
小規模事業共済 | ○ (利用できる) | △ (個人事業主の時に加入していた場合など。原則として利用できない) | 月0.1万円から最大7万円 (年1.2万円から最大84万円の控除) |
生命保険 | ○ (利用できる) | ○ (利用できる) | 最大12万円の控除 (支払は年24万円以上) |
ふるさと納税 | ○ (利用できる) | ○ (利用できる) | 年収による(上限なし) |
確定拠出年金 (iDeCo) | ○ (利用できる) | ○ (利用できる。ただし、会社の設定により制限されている場合もある) | 月0.5万円から最大6.8万円 (年6万円から最大81.6万円の控除) |
これらを利用すれば最大で計417.6万円以上の額を控除できる(ふるさと納税には上限がないため「以上」とする)。
支払うべき税金の減少割合は所得税が累進課税なため所得にもよる。目安としては2割から5割程度となるだろう。したがって、417.6万円控除すれば84万円から209万円程度も支払うべき税金が減ることを意味する。また、経営セーフティ共済は経費へと計上できるため、社会保険料も減らせる。
こうした制度の利用は下手に貯金するよりも、確実にお金を増やす(残す)手段と言って良いだろう。各種控除の詳しい説明を含む、税金控除について詳しくは下記記事を参考に。

金銭を間接的に節約するための施策
時は金なりという言葉があるように、金銭的な節約をしても、その分時間を浪費すれば回りに回って金銭的なコストの増加に繋がってしまう。金銭的な節約ができても、時間や労力といった広い意味でコストに対するパフォーマンスが低下すれば、金銭的なコスト増加への圧力を受けるのだ。
逆に、時間や労力が余ると、生活に余裕が生まれ、金銭的なコストを抑えやすくなる。したがって、金銭的なコストが増加する施策でも、時間的、労力的なコストが減少するなら検討に値するだろう。
労力と時間の節約、ストレスの減少
たとえば、労力と時間を節約するために職場から近い家へ引っ越したとする。家賃が3万円増加した代わりに、通勤時間で片道1時間、往復2時間かかっていたのが20分にまで減少したとしよう。1日100分、月20日働いたとして、2000分=33.3時間を3万円で作りだすことに成功している。1時間あたり約900円である。田舎ならともかく、都心部なら1時間900円以上稼いでいる人は多いだろう。
たしかに、電車の時間を勉強に使ったり、本を読んだり、有効活用する人もいるかと思う。くわえて、多くの会社では通勤手当が出ているため、距離が遠くても移動費の金銭的な負担はほぼ無い。ただ、その場合でも労力を使ったり、満員電車なら多少のストレスも感じているはずだ。労力や時間のコストはかかっているため、満員電車の多い都心部ほど、職場に近い家を借りるのがコスパも良いかと思う。
職場への移動だけでなく、普段よく行く場所を踏まえた方が労力や時間の節約はできるだろう。ジムやスーパーなどへの移動も考慮して住む家は決めるすべきだ。
時間を作る
引っ越しはもちろん、電力会社や通信会社の変更は時間的に余裕がないとなかなかできない。暇そうにしている人も毎日自分の中でスケジュールが決まっており、常に忙しくしている。急に生じる強制的な予定を嫌がる人は多いだろう。
逆に、こうした忙しい状況下で時間を作れれば、その空いた時間で一気にコスト最適化の施策を進められるだろう。電力会社や通信会社の変更、特に時間を取られる引っ越しもそうだ。時間が余ると、生活に余裕が生まれるのはこうした理由もある。
今まで節約に失敗したり、実行できなかった人の多くは時間的、労力的な余裕を犠牲にしているはずだ。節約を始める前には、多少の金銭的なコストが増えても、時間的、労力的な余裕を作ることから始めてみるのが良いだろう。
節約については予算が決まっていた方がより具体的な施策を出しやすい。予算を月10万円で考えている人は下記記事を参考に。

一人暮らしの食費を極限にまで抑える方法については下記記事を参考に。

節約も人によっては向き不向きがある。節約が向いてないと思ったら、期間工など稼げる仕事を一時的にでも行えば良いだろう。住み込みの仕事なら貯金も作れるはずだ。
寮付きで稼げる仕事の給料や条件、勤務地については下記ページを参考に。男性だけでなく、下記ページには女性向けの求人もある。
期間工や工場の仕事は給与待遇も良くなっている。特に期間工では数百万の貯金を作るのも難しくはない。