家賃負担を減らす方法として誰もが浮かぶのは、より家賃の安い部屋への引っ越しだろう。
日本なら家賃0円で住める物件が地方にも存在している。ただ、家の周辺環境が整っており、電気ガス水道インターネット回線が通っている、リフォームが不要な部屋だと月1万円程度が限界となる。環境が整っているにもかかわらず、1万円以下の家があるのは、工場移転により過剰に余ったアパートの多い大分県杵築市、国東市エリアぐらいだ。単純に、家賃の安い部屋を探している人は下記記事が必読になる。

家賃負担を減らすもう1つの方法としては事業を起こすことにより、家賃も経費へと計上する方法がある。
家賃を経費にできるのは大きく分けて下記2つのケースになる。
▶ 家の中へ事業用に分けられた空間を作る
▶ 事業のためのスペースを借りて、そこへ住む
個人事業主はもちろん、会社員でもこうした家賃の経費化は可能である。
この記事では家賃を下げるのではなく、こうした家賃を経費に入れ、負担を少なくなる方法を中心に、
▶ 家賃を経費にするとどれだけの負担が減るか?
まで詳しく述べていきたいと思う。
家の中へ事業用に分けられた空間を作る
まず、家賃を経費にするには事業を行わなければならない。もちろん、会社員なら副業といった形でも良い。

アルバイトや正社員といった収入が給料で「のみ」の人は家賃を経費にできない。
また、個人の場合、自宅が事業に必要な空間と見なされなければ経費としては認められないだろう。
家賃の一部を経費にする方法
ブロガーや個人事業主のプログラマー、ウェブデザイナーも自宅でパソコンを使い仕事をするなら、自宅の仕事空間を経費として計上できる。
国税庁の法令解釈通達ではプライベートでの支出と事業の両方に関係する費用を「家事関連費」と呼んでいる。この家事関連費のうち、事業で使った分については経費に入れて良いとしている。
家賃においてこの「事業で使った分」を換算するとき、
・仕事で使う部屋の面積
・仕事で使う時間
で分けている。
たとえば、50平米の部屋を借りており、仕事部屋として使っている部屋の面積が20平米なら「家賃の5分の2を経費にする」という考え方である。
家賃を確実に?減らせるAirbnb
Airbnbとは家をまるごともしくは1部屋、部屋の一部をホテルとして貸し出すサービスである。余ったスペースを貸し出し、収益を生み出す比較的新しいビジネスだ。副業だけでなく、本業の事業として行っている人もいる。
このAirbnbでは家で事業をしなくとも経費計上のための貸出ができる。つまり、事業としての実体を作り、税金の支払いを減らすために部屋を貸し出せるのだ。ただし、Airbnbに掲載しているだけで売上が全く無い状態では経費として否認される可能性もあるだろう。
Airbnbに限らず、事務所兼自宅でも、実際はプライベートと事業で「共用のスペース」が生じる。このスペース分はなるべく経費へと「入れない」ようにしたり、税務調査で聞かれた時も税金を減らすために経費にしたといった解釈が「なされないよう」にした方が良いだろう。
税務調査で困らないよう最終的な経費計上の割合は税理士といった専門家に相談した上で決めるべきだ。
税理士は毎月数万円から、こうした専門的なアドバイス、経費の計算や確定申告も行ってくれる。税理士の費用を負担しても、税理士に頼んだ方が税金を減らせるため、現金を多く残せるだろう。
事業のためのスペースを借りて、そこへ住む
事業のためのスペースを借りて、そこへ住むというのはえらてん氏の本「しょぼい起業で生きていく」でも提案されてる施策である。
えらてん氏の場合はリサイクルショップを運営し、そこで寝泊まりをしていた。リサイクルショップの他には飲食店・バー、商品の販売店、今ならゲストハウスやイベントスペース、ワーキングスペースも有望だろう。
こういった店舗の場合、事業を行っているのが明確なので、全額経費にしても否認されるケースは殆どないはずだ。
事業のためのスペースへ住むことにより生じるメリットとデメリット
事業のためのスペースへ住むメリットは
・家賃を0円にできる
・プライベートの時間を仕事に使える
以上の2点がある。
家賃を0にできる点は生活コストを下げるという点で理想的な形である。また、常に店舗で過ごせば、プライベートの時間にも人が集まり、そこで収益の機会が生じる。えらてん氏もそういった状況からお金をもらっての手伝いを始め、リサイクルショップに至ったそうだ。
ただ、事業のためにスペースへ住むとデメリットも生じる。具体的には
・生活するための環境を完全には整えられない
・プライベートの空間が無くなる
以上の2点がある。
店舗の場合、生活設備は付いていないのが普通である。シャワーやお風呂、ベッド、洗濯機が無い状態で生活する必要も出てくる。逆に、このような設備が付いていたとしても、その分の空間は経費にできないだろう。基本的には、寝袋を敷いたり、銭湯やコインランドリーを使った生活になるはずだ。
唯一、ゲストハウスやホテルのような形で事業を行うなら、宿泊設備があること自体は問われないかもしれない。
また、事業スペースで生活するので、プライベートの空間は無くなる、もしくは制限されるだろう。確かに、営業時間以外なら、プライベートの時間を確保できる。しかし、住むために借りた部屋ではないため、使い方にも制限が出てきてしまう。業種や店舗の広さによるものの、インテリアや荷物を置く場所はほとんど無いはずだ。
住まいの一部を事業用のスペースにする。または事業用のスペースに住む場合、いずれもメリット・デメリットはある。特に、えらてん氏のおすすめする事業用のスペースに住むというライフスタイルは続けるのは難しい人も出てくるはずだ。
プライベートの時間や空間が欲しい人ほど、こうした「生活の一部で事業をする」という行為は向いていない。逆に言えば、常に友達と一緒に騒ぐのが好きであり、一人でいるよりも複数でいた方が楽しい人はプライベート空間を事業スペースにして、収益化する生き方が向いているかもしれない。
家賃を経費にするとどれだけ負担が減るか?
家賃を経費にした場合、負担が減るのは利益が減るからである。つまり、払うべき税金が減るという形で家賃の負担が減る。
個人の場合、年収が高くなると税金の割合も大きくなる。なぜなら、所得税率もあがるからだ。税金が減る目安としては経費の20%から40%ぐらいと覚えておけば良いかと思う。したがって、毎月10万円分の家賃を経費として計上している場合、年間で120万円、このうちの20%から40%なので、年間24万円から48万円(月2万円から4万円)ぐらい現金を多く残せるのだ。
この生活空間の事業化と近い考え方として「趣味の事業化」がある。趣味を事業化すると、こちらも現金を増やせるので豊かになれる。詳しくは下記記事を参考に。
