貧しい人はリソースの使い方が下手な人である。リソースとはお金だけでなく、労力的、時間的な余裕のことを言う。お金というリソースは労力や時間と密接に関係している。
当たり前の話、お金が増えない方向へお金を使えばお金は増えていかず、減る一方である。お金が増える方向の上手な使い方を「投資」という。ここで言う「投資」は株式などの金融投資に限らない。金銭的、労力的、時間的なコストをお金が増える方向へ変えられるすべての作業を投資と呼ぶ。
日常生活における浪費も投資へと変えられる。もちろん、生きていくには投資以外のお金が必要になる。住居や食事、電気ガス水道などのサービスは純粋に生きていくために必要だろう。また、生きるのに必須でなくとも、エンターテイメントとしての浪費がなければストレスは溜まってしまう。エンターテイメントが精神的な余裕を作り、結果的に仕事のパフォーマンスを上げることもあるはずだ。ただ、過剰な浪費や自身でコントロールできなくなってしまうことは避けなければならない。
生活に「必須の消費」は確保した上で、「浪費」を自身のコントロール下に置き、「投資」を増やしていく。これが上手なお金の使い方になる。
この記事では上手にお金を使う方法として
▶ 「必須の消費」を抑える方法
▶ 「浪費」をコントロールする方法
▶ 投資を増やす方法
から
▶ お金を上手に使うべき理由
まで詳しく述べていきたいと思う。
「必須の消費」を抑える方法
多くの人は労力や時間的なリソースを提供し、代わりにお金を得ている。労力や時間の提供無しに、お金の消費だけで生きていける人は一部の金持ちに限られている。
労力や時間はお金に変えられるだけでなく、それぞれは密接に関係している。多くの人が気づいてない事実として、お金を節約できても労力や時間が増えると、結果的にコストは増える。たとえば、家賃を節約した結果、利便性が下がり、移動時間が増えれば移動費も上がる。遠くのスーパーよりも近場のコンビニを利用するようになれば食費も上昇するだろう。必須の消費を抑えたいならお金だけでなく、労力や時間的なコストも見なければならない。
また、コストを減らすにも時間や労力的な余裕が必要になる。たとえば、多くの人が支出を抑えられるとわかっていても楽天モバイルへの変更をしていない。
高速データ通信が1GBまで0円。無制限に利用しても月額税込3278円(network.mobile.rakuten.co.jp/より)。通話料もアプリの利用により無料にできる。

これ以上にお得な携帯電話は2021年現在、楽天モバイル以外にはない。
平日のちょっとした時間に携帯電話会社の変更手続きを行うのは面倒である。毎日、決められた予定の中に、携帯電話の新規申込といった面倒な手続を含められる人は少ない。リソースが不足している人は時間が余ればYouTubeやテレビを見たり、ゲームをしたり、好きな人と過ごしたり、家族と過ごすだろう。コストを見直し、「必須の消費」を抑えるためにもまずは時間や労力的な「余裕(リソース)」を確保しなければならない。
貧しさから抜け出すための金銭的、時間的、労力的「リソース」の増やし方についてさらに細かく知りたい人は下記記事を参考に。

「浪費」をコントロールする方法
食事や住居など、必須の消費に含まず、かつ、お金が増えない方向の使い方を「浪費」と定義する。
余暇や娯楽全般でかかったコストも浪費に含まれる。もちろん、浪費が不要とは言わない。生きるのに必須でなくとも余暇や娯楽がなければストレスは溜まって、パフォーマンスも悪くなってしまうだろう。エンターテイメントが精神的な余裕を作り、結果的に仕事のパフォーマンスを上げることは多々ある。しかし、過剰な浪費だったり、浪費を自身でコントロールできなくなってしまう状況は避けなければならない。金銭的なリソースが常に不足した状態になってしまうからだ。
浪費を自分の意志で単純に減らせるなら問題はない。しかし、現在、過剰な浪費でお金が増えない人の多くは自分の意志で減らせないだろう。したがって、浪費を減らすためにはある程度の強制性を持たせる必要がある。
強制的に浪費を減らす方法として手っ取り早いのは環境変えることである。具体的には住む場所を変えるといった手段がある。
環境を変えて浪費を減らす
住む場所を変更すると、コストの見直しができる。特に、食事や生活スタイルの異なる海外へ行けば広い範囲での見直しができる。損するとわかっていてもパチンコが止められない人も海外へ行けば物理的に通うのが難しくなる。
単純に支出を抑えたいなら物価の安い国が選択肢に入るはずだ。ただ、物価の安い国への移住では人によって食事が合わなかったり、サービスに日本並みのクオリティを求めたりして、支出が増える人もいる。コスパで見ると、物価の安い国と比べても日本は悪くないからだ。日本並みに美味しい食事を海外で求めると、食費は日本以上にかかってしまう。吉野家だったり、チェーンのラーメン屋、うどん屋といった安くて美味しいお店は海外にほとんどない。
また、貯金の無い人は海外で収入を得なければ生活もできない。会社員の場合、いくらテレワークが広がっていっても、今の収入を維持しながら海外へ移住するのは簡単ではないだろう。
環境を変えることはあくまでもコスト見直しの「機会」であり、必ず支出を減らせるわけではない。しかし、浪費については、浪費しにくい環境への移動がもっとも効果的である。海外への移住でなくとも、現在の収入を維持しながらどのようにすれば浪費しにくい環境へと移動できるか、それぞれの状況に応じて適切な選択を探してみるべきだ。
また、浪費を減らすのではなく、減らさずに投資へと変える手段もある。
投資を増やす方法
余ったお金や生活に必須の消費だけでなく、浪費も投資へと変えれる。浪費とも言える部分を投資に変えられる人は楽しく、充実した生活ができているだろう。たとえば、YouTuberを含むエンターテイメントの世界で生活している人は浪費とも言えるような消費をお金に変え、十分な収入を得ている。
また、一見エンターテイメント性の無い仕事にエンターテイメント性を見出している人もいる。研究者だけでなく、会社員でも楽しく仕事をしている人はいるだろう。
いずれにせよ、浪費を投資に変えられるなら、これが理想的な形である。
もちろん、エンターテイメントの世界で収入を得ていない人でも浪費を投資へと変えられる。また、浪費以外でも、お金を増やしたいなら余ったお金は「(お金が増える方向の上手な使い方という意味での)投資」に使うべきだ。
支出の中から「(お金が増える方向の上手な使い方という意味での)投資」を増やす方法として
1.日常生活のビジネス化
がある。日常生活をビジネスにすると、今までの金銭的、労力的、時間的なコストを投資に変えられる。もちろん、浪費とも言えるような消費も投資へと変えられる。
2.残った現金を広い意味での投資に使う
これも当然、投資を増やす方法になる。余ったお金を控除や保険に使えば払うべき税金を減らせる。また、狭義での投資に使っても良いだろう。
下記では「1.日常生活のビジネス化」「2.残ったお金の広い意味での投資」に分けて詳しく紹介していく。
1.日常生活のビジネス化
お金持ちの多くは日常生活をビジネスにしている。たとえば、金持ちが愛人にお店などのビジネスをやらせているのを聞いたことはないだろうか?これは個人のポケットマネーから愛人手当(援○交○費)を払うよりも賢い。なぜなら、愛人に店や事業をやってもらえば、愛人手当という浪費の代わりに出資や融資、経費としてお金を渡せるからだ。愛人手当はそのまま消えて無くなるお金(=浪費)である。しかし、投資としてお金を使えば払うべき税金を減らせたり、お金を増やすこともできる。愛人行為が続いていても、形式的に事業が行われていれば、これを法律的に咎めるのも難しく、表面上でも印象が良くなるといった金銭的以外のメリットもある。
こうした特殊な事例に限らず、飲み食いも仕事関係する間柄なら交際費として経費にできる。経費に計上できれば当然払うべき税金を減らせる。浪費に含まれるような贅沢な食事ですら、払うべき税金を減らし、残るお金を増やせるという意味で投資にできるのだ。
えらいてんちょう氏は事業用の店舗に住み、日常的に負担する家賃を0円にしていた。
えらいてんちょう氏はリサイクルショップを運営し、そこで寝泊まりをしたそうである。
リサイクルショップの他には飲食店・バー、商品の販売店、今ならゲストハウスやイベントスペース、ワーキングスペースも寝泊まりに使えるだろう。こういった店舗の場合、事業を行っているのが明確なので、全額経費にしても否認されるケースはほとんどないはずだ。
事業を行わなくとも、寝室(ベッド)が余っているならAirbnbを利用できる。普段の生活空間を貸し出せば、事業用の店舗を借りなくとも、家賃の一部を経費にできるので払うべき税金を減らせる。

経費計上だけでなく、人との繋がりを広げられるなら広い意味での投資になる。生活における空間的、時間的スペースを開放し、人が集まるようになればお金も集まってくるだろう。
また、日常的に田舎から都会へ通勤する人も、通勤しているだけでは当然お金をもらえない。しかし、田舎にある野菜を都会へ運び、八百屋などへ卸すだけでお金をもらう事業化もできる。朝の通勤時間で数件ならルート配送もできるのだ。
趣味で行っている「オタク活動」も趣味兼事業として行えば、チケット代だけでなく、移動費も経費(旅費交通費)として計上できるだろう。

十分な収入を得られるようになれば過去のオタク活動で使ったお金も投資だったと言えるのだ。
お金の使い方が上手い人は生活する上で生じるコストも浪費にはしていない。並の収入はあるのに、回りに比べてお金の増えない人は日常生活のビジネス化を意識して行うべきだ。
2.残ったお金を広い意味での投資に使う
収入のある人なら誰でもできて手っ取り早い投資は控除や保険である(控除や保険は狭義の意味での投資とは言わない。しかし、この記事ではお金が増える方向の上手な使い方を「投資」と定義している。)。
控除や保険は会社員よりも自営業者(フリーランス、個人事業主)の方が金額や控除の仕組みが多いためメリットは大きい。現金を残さず、控除や保険に使うことで、お金が増える方向へ持っていける。
自営業者(フリーランス、個人事業主)が使える控除としては
・経営セーフティ共済
・小規模事業共済
がある。現金で残すぐらいなら経営セーフティ共済や小規模事業共済に使った方がのちのちお金は残せる。
また、会社員でも
・生命保険
・確定拠出年金(iDeCo)
・ふるさと納税
・住宅ローン
により控除を受けられる。結果として、払うべき税金が減り、払った税金の還付も受けられる。控除の結果、お金は増えていくのだ。
節税についてさらに詳しく知りたい人は下記記事を参考に。

狭義での投資とは株式や投資信託などの金融投資だったり、自分で事業を作ってお金を使う事である。
金融投資をしていない人はNISA口座の開設から行うべきだ。なぜなら、NISA口座で購入した株や投資信託などから利益や配当が発生しても税金がかからないからだ。

毎年NISA枠を使い切るぐらいの積立投資を続ければ老後も困らないだろう。
どの会社の株がいいか、どの投資信託がいいかは時期によっても異なり、トレンドもすぐに変わるため断言はできない。無難な投資先としては「楽天・バンガード・ファンド(全米株式)」や「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」がある。
前者の楽天・バンガード・ファンド(全米株式)は大型株、中型株だけでなく、小型株を含めて広く米国株式市場へ投資する上場投資信託である。楽天・全世界株式インデックス・ファンドは米国株を中心に、広く世界の優良企業へ投資する投資信託である。米国と世界は長期的にも成長が見込める市場であり、投資先に迷ってるならこの2つで十分だろう。
お金は上手に使うべき理由
一般人の場合、労力的、時間的なリソースを使ってお金を稼いでいる。専門的な知識の無い人はフルタイムの労働でなければ十分な額を稼ぐことが難しい。フルタイムでも浪費の多い人はお金だけでなく、時間や労力にも余裕がなくなってしまう。
転職などで時間あたりの給与を増やすことはできる。しかし、専門的な知識や継続的なキャリアの無い人にとっては簡単でないだろう。使うお金、使う労力、使う時間が同じままで、リソースという余裕を増やしたいなら「浪費」を減らし、「投資」を増やさなければならない。
上で紹介したように、お金の無い人は「必須の消費」を抑え、金銭的な余裕を増やすべきだ。生活に「必須の消費」は確保した上で、「浪費」を自身のコントロール下に置き、「投資」を増やしていく。使えるお金が増えたら、最高のパフォーマンスを得るために、広い視野でお金の使い道を選択しよう。パソコン代など、費用が高額でも浪費になるとは限らない。仕事をする上でパフォーマンスが上がるなら投資にもなる。

少ないリソースで十分な収入を得たいなら、細かいことでもパフォーマンスを高め続けなければならない。もちろん、全ての支出をコスパで決めるのは不可能だし、コスパによらずお金を使いたくなる状況があるのも否定しない。しかし、コスパを中心に置いて、お金をコントロールできる人の方がリソースに余裕ができるのは間違いない。お金をコントロールできない、お金の使い道が下手な人は労力的、時間的なリソースを増やさない限り(労力的にキツイ仕事、労働時間を増やさない限り)、貧しいままである。